イタリアにおける就労許可と年間割当制度について
EU圏外の国籍を持つ方がイタリアで合法的に働くためには、労働許可証(ヌッラ・オスタ 【Nulla Osta】)の取得が必要です。
一般的に、イタリアの就労許可は、政府が発行する「デクレート・フルッシ(Decreto Flussi)」に基づく年間クォータ制度の枠内で発給されます。この政令では、職種や雇用形態ごとに発給できる許可の上限数と、申請受付期間が定められており、原則として先着順で許可が付与されます。
一方で、EUブルーカード、企業内転勤(ICT)許可、業務委託契約による就労許可など、いくつかのカテゴリーはこのクォータ制度の対象外となっています。
これらの許可は年間の上限数に関係なく、通年で申請・取得することが可能となっています。
イタリア企業内転勤 (ICT労働許可証)
年間受け入れ枠(クォータ)の対象外となる外国人労働者のカテゴリー
一部の外国人労働者は、イタリアの年間移民受け入れ枠(decreto flussi)の対象外とされています。
これには、以下のような職種・カテゴリーが含まれます:
- 企業内転勤(ICT)による派遣者
- 高度専門職人材
- 外資系企業のイタリア支社に出向する幹部・管理職
- 大学講師・教授
- 通訳・翻訳者
- 看護師などの医療専門職
- 研究者など
イタリアにおける企業内転勤(ICT)就労許可
イタリアの移民法では、EU域外から一時的にイタリアへ転勤する非EU国籍者に対して、2種類のICT就労許可(Intra-Company Transfer Work Permit)が認められています。いずれの制度においても、派遣者は本国の雇用主との雇用関係を維持したままイタリアで勤務し、イタリアでの現地雇用契約は結びません。
企業内転勤の労働許可証の種類:
- ナショナル ICT
- EU ICT
1. ナショナルICT就労許可の対象者
ナショナルICT労働許可証は、経営幹部・上級管理職・中級管理職・専門技術者が、自身の勤務先企業のイタリア国内の支社・子会社・関連会社へ転勤する場合に適用されます。この制度は、イタリア移民法第27条第1項(a) に基づいており、派遣元企業と受入企業が同一グループまたは合弁事業体(ジョイントベンチャー)に属していることが条件となります。
対象者
- 本社または子会社がイタリアにある企業に雇用される専門職または管理職
- WTO加盟国に拠点を持つ外国企業の駐在員事務所に勤務する職員
- イタリアまたはEU企業の本社管理職
主な特徴
- 派遣期間は最長5年間まで
- 派遣期間中、雇用関係は本国の雇用主との間で継続
- イタリア滞在中は、「特定事由による滞在許可証(Permesso di soggiorno per casi particolari)」が発給されます。
この許可により、外国企業の幹部や専門人材は、現地雇用契約を締結することなく、一定期間イタリアで業務を遂行することが可能です。
2. EU ICT就労許可の対象者
This permit applies to managers, specialists, and trainees employed by a non-EU company for at least EU ICT(Intra-Company Transfer)就労許可は、EU域外の企業からイタリアを含むEU加盟国の支社・子会社・関連会社へ一時的に転勤する外国人労働者を対象としています。この制度は、EU指令2014/66/EUを国内法に取り入れたもので、EU域内での企業内人材移動を容易にすることを目的としています。
対象となる職種カテゴリー
- マネージャー(Manager):
企業の部門または事業単位を統括し、組織運営・意思決定に関与する者。 - スペシャリスト(Specialist):
企業の事業に不可欠な高度な知識や専門的スキルを有する者。 - 研修生(Trainee):
将来的に管理職や専門職に就くことを目的として、イタリアの関連会社で研修を受ける者。
主な要件
- 本国の企業との雇用関係が継続していること(イタリアでの現地雇用契約は不可)
- 派遣元企業とイタリア側の受入企業が同一グループまたは関連会社であること
- 派遣期間が90日を超え、最長3年間(研修生は最長1年間)までであること
- 滞在中の給与・社会保障が本国の雇用主から支払われること(日本からの出向の場合、日伊社会保障協定により、イタリア社会保険への加入は免除される)
特徴
- EU域内でのモビリティ(移動)が認められ、他のEU加盟国への短期派遣も可能。
- 発給される滞在許可証は、「企業内転勤者用滞在許可証(Permesso di soggiorno per trasferimento intra-societario)」。
この制度により、多国籍企業はEU域内での人材配置を柔軟に行うことができ、外国人専門職はイタリアを含む複数のEU加盟国での業務遂行が容易になります。
イタリアICT労働許可証の申請手続き
ICT就労許可の取得手続きは、職種によって多少異なる場合がありますが、基本的な流れは次のとおりです。
- まず、イタリア側の受入企業が、統合移民窓口(Sportello Unico per l’Immigrazione)にオンラインで就労許可(Nulla Osta)を申請します。
- 許可が承認されると、派遣される本人が居住国を管轄するイタリア領事館で就労ビザ(Visto per lavoro)を申請します。
- イタリアに到着した後は、8日以内に統合移民窓口に出向き、滞在契約(contratto di soggiorno)への署名や滞在許可証(permesso di soggiorno)の申請を行います。
- 最終的に、現地の警察本部(Questura)から滞在許可証が発行されます。この許可証は、派遣期間に応じて最長2年間有効です。
ICT滞在許可サポートサービス
当事務所では、就労許可(Nulla Osta)の申請から滞在許可証(permesso di soggiorno)の受け取りまで、ICT就労許可に関する手続きを総合的にサポートしています。
全国100名以上の現地コンサルタントによるネットワークを活用し、主要都市での対面サポートにも対応。申請内容が正確かつ万全に整うよう支援し、許可取得の可能性を最大限に高めます。
当事務所のサポート内容
- 移民関連コンプライアンスに関する法的アドバイス
- 必要書類の作成および確認
- 労働許可(Nulla Osta)の代理申請
- ビザ申請に関するガイダンス
- 滞在契約(contratto di soggiorno)申請における実務支援および同行サポート
- 滞在許可証 (permesso di soggiorno)申請における実務支援および同行サポート
追加サービス
- イタリアでの書類翻訳および認証・アポスティーユ取得サポート
- 出向者(Posted Worker)届け出手続き
- 住民登録(Residenza)
- 国民保健サービス(NHS)への加入手続き
- イタリアIDカードの取得手続き
- 住居適正証明書(Certificate of Housing Suitability)取得サポート
お問い合わせ
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